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ゲーム音楽これを聴け!

わたしは いだいな ぶとうか。 うわさでは すでで くまを たおしたことになっておる。 しかし じつは てつのつめを つかって いたのだよ。 わっはっは。 ゲーム音楽とプログレ、ジャズロックが中心。ドールも始めました。うちのドールが勝手にツイッターで呟いたりしてますので、そちらもよろしく。

 

PS『シュレディンガーの猫』ゲーム・サウンドトラック 

「心優しき旋律の中で、あらゆる世界の音が通り過ぎていく」

『シュレディンガーの猫』の音の印象を表そうとしたら、このようになった。
穏やかな雰囲気、少し物悲しい雰囲気、伝統的な音楽をモチーフにした楽しい雰囲気…アルバムは全体的にはゆったりとしていて、とても優しいメロディだ。攻撃的な雰囲気、殺伐とした雰囲気は感じられない。
地中海、ケルト、ウェスタン、カントリーという各国の伝統的な音楽を用いて、牧歌的なゆったりとしたリズムに、郷愁を誘う優しいメロディが溢れる。これらが全て生演奏で収録されており、演奏者の真摯な姿勢まで伝わってくるかのようだ。
全曲を手がけたのは、ニューエイジ・ミュージックの代表的な作曲家として知られる、中村由利子。

それでは、収録曲を見ていこう。
なお、筆者はゲームをプレイしたことが無いので、どの場面で流れる音楽かは不明。よって、その楽曲の雰囲気にのみ言及する。

1.PROLOGUE~「シュレディンガーの猫」テーマ~
約2分と短いながらも、イングランド民謡「Greensleeves」をモチーフにしていると思われる、穏やかで美しいメロディが幻想的な世界を彩る。どこか物悲しさが漂うのが特徴的だ。
ゲーム作品でいうとPS2『ICO』のような雰囲気に似ている。『ICO』は大島ミチルが手がけており、同じく女性作曲家である。また「式部」というニューエイジ・ミュージックユニットを組んでいた。それゆえに作品へのアプローチに共通性が見られるのかもしれない。
それとも、彼女たちのメロディには、女性ならではの「母性愛」が満ちているということなのだろうか。

2.LABYRINTH~1~
「シュレディンガーの猫」テーマを基本として、これはミステリアスな雰囲気へと展開させた楽曲だろう。
メロディは、遠い異国の地に一人で来た時の戸惑いに似ている。不安と戸惑いの中で、見知らぬ土地を見渡して心細くなる、あの気持ちに近い。

3.BUTRINT~予言の島~
リズ・オルトラーニが音楽を手がけた映画『世界残酷物語』で聞かれるような、地中海風の陽気で暖かな音楽を用いている。
見知らぬ土地で、その土地で陽気に暮らす人々に出会い、ようやくホッとする。どの世界に行っても、きっと自分の故郷の近所の人たちと変わらない。
ミステリアスな「LABYRINTH~1~」からのこの曲順は見事。心細さが期待に変わり、見知らぬ土地を楽しむ気分になってくる。

4.MU~古代都市の危機~
この曲のみ、ややプログレッシヴ・ロックなバンドサウンドで、躍動感に満ちた楽曲を展開している。
パーカッションの音が心地よく、民族風のプログレッシヴ・ロックが好きな人ならすんなりと聞けるだろう。
クラシカルサックスの須川展也を迎え、バンドサウンドだがロック色を抑えた、気品のある楽曲に仕上がっている。

5.BRASOV~カジノ殺人事件
ミステリアスな河合徹三のジャズベースに、これまたミステリアスな都留教博のヴァイオリンが加わり、前田善彦のチェロと中村由利子のピアノがそれを支える。
お洒落な雰囲気ながらも何だか怪しい、非常に面白い楽曲。

6.ELBA~囚われの皇帝~
高らかにファンファーレが鳴り響き、気品溢れるヴァイオリンとフルートが織り成す、気高き楽曲。
ピアノやヴァイオリンなど生楽器が展開する部分は良いのだが、そのためにシンセの管楽器音源によるファンファーレ部分が少々安っぽく聞こえてしまうのが残念。

7.LABYRINTH~2~
LABYRINTH~1~に、シンセによるパイプオルガン音源を使って、教会風な楽曲に仕上げている。

8.MARBURG~伝説の町~
ブズーキーとガットギターに、リコーダーがメインメロディを奏でると、もう完全にケルトミュージックの世界。ひたすらに物悲しいメロディではなく、やはり優しく包容力のある雰囲気がある。
いつまでも見知らぬ土地をさまよいたくなるような、憂いに満ちた楽曲。

9.GOLDARROW~酒場にて~
郷愁を誘うブルースハープの音色が、古きよきアメリカを思わせる。こういう音楽を聞くと、無性に鉄板でステーキが食べたくなる。そしてウィスキーとバーボン。
テンガロンハットの男たちが、薄汚れた酒場で立ち飲みしている光景が容易に浮かぶ。

10.GOLDARROW~宝捜しに出発~
フィドルが踊る、陽気なカントリーミュージック。
農場で、逃げた豚を必死に追いかける少年の姿や、あるいは年に一度のお祭りでストリートバンドが陽気に演奏しているような、そんな賑やかで楽しげな光景が思い浮かぶ。

11.EPILOGUE
エピローグは、このアルバムに収録されている複数の楽曲から一部分をそのまま用いて、それまでの旅を振り返るような構成になっている。
これはこれで上手い編集だが、それぞれの楽曲のメロディを織り交ぜながら新たにアレンジし直し、一つの楽曲として構成していたら感動はもっと大きかったのではないか。その点がやや惜しい。

「シュレディンガーの猫」テーマPiano Solo
そして最後に、中村由利子の本領発揮、ピアノのソロ楽曲。
2分少々の短い曲だが、物語を締めくくるにふさわしい、美しさに満ち溢れた楽曲。ゲーム音楽の中でも名曲と言っていいだろう。


現在、サウンドトラックは入手困難。「シュレディンガーの猫」テーマだけならば、作曲者中村由利子の『インコンサートピアノファンタジー~10周年記念コンサート~』で、ライブバージョンを聞くことが出来る。
また彼女の新ユニット「風のアルペジオ」のアルバム『First Live 未来への道~TRAVESIA』では、ライブ音源だが「シュレディンガーの猫」テーマのアレンジバージョンを聞くことが出来る。

ちなみに、中村由利子は、三鷹の森ジブリ美術館のオリジナル短編アニメ『星をかった日』の音楽を、都留教博と担当している。
中村由利子は都留教博と共に活動することが多く、都留教博のソロアルバムへの参加や、アニメ『火宵の月』、映画とOVAで展開した『アルスラーン戦記』にも二人が参加している。
『シュレディンガーの猫』でもやはり二人とも参加していることから、二人の音の相性がとても良いことがわかる。実際にその楽曲を聴いてみても、二人の音がぶつかり合うことなく、自然に溶け込んでいっているのが聞き取れる。
『シュレディンガーの猫』の音楽のように、穏やかで優しい気持ちになりたい時には、中村由利子、都留教博のソロアルバムを探して聞いてみるのもいいかもしれない。

↓シュレディンガーの猫、OPムービー。


↓『星をかった日』より「ノナの星」。サウンドトラックというものは発売されていないが、中村由利子のアルバム『微笑みの軌跡』に「ノナの星」と「上昇気流~飛び立つ日~」が収録されている。
動画は中村由利子演奏のものではなく、おそらく素人の演奏。


↓アニメ『火宵の月』のテーマ曲。2002年に再発したものの、非常に残念ながら、現在は品切れ状態。とても美しく素晴らしい楽曲である。ぜひとも再発を望む作品だ。


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Category: プレステ、サターン期の名盤サントラ

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