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ゲーム音楽これを聴け!

わたしは いだいな ぶとうか。 うわさでは すでで くまを たおしたことになっておる。 しかし じつは てつのつめを つかって いたのだよ。 わっはっは。 ゲーム音楽とプログレ、ジャズロックが中心。ドールも始めました。うちのドールが勝手にツイッターで呟いたりしてますので、そちらもよろしく。

 

彼はいつも不意に訪れる。『VECTROS』SOUNDTRACK 

小倉久佳氏がTAITOを離れてからというもの、僕らはどれだけの期間を「OGRの音画の無い世界」で過ごしていたのだろうか。
TAITO時代に最後に公式にアルバムを残したのは2004年2月22日に発売された『ZOIDS INFINITY』であるから、今回のこの待望の新作、しかも小倉氏の明確なコンセプトに基づくまさしく「音画」である『VECTROS』が出現するまで、実に8年8ヶ月と9日もの長い期間、僕たちはその他の雑多な音楽で飢えをしのぐしかなかったのだ(『ベクトロス』サントラ配信開始日は2012年10月31日)。
確かに『ダライアスバースト』『COZMO』で新曲は披露してきた。だが、それで僕らの飢えが満たされることはなかった。逆に「たった1曲だけの提供」という事実こそが、さらに僕らの飢餓感を煽った。

(以下は創作文であり、事実とは何ら関係ない)
2013年2月26日。奇しくも今から77年前、青年将校がかのクーデターを起こしたその日に、彼は帰ってきた。僕らの激しい渇望を嘲笑うかのように、今までふいと姿を消していたことなどまるでちっぽけな出来事であったかのように、彼はふらりと現れた。
これは幻視ではない。見間違いではない。聴き間違えようはずがない。彼は帰ってきたのだ。
以前よりもやや攻撃的な視線で僕を見つめ
「天才はエラーだ」
彼はいきなりこう言い放った。その瞬間、僕の視界から彼は消え、緑色に明滅する0と1と細かな線が無数に走り回る得体の知れない空間に放り込まれた。
「これは、天才と呼ばれる人たちの頭の中なのだ」
彼は言った。その声は暗闇に響いただけで彼の姿は無かったが、彼の声を間違えるはずがない。僕は彼を待っていたのだから。
「考えてもみたまえ。天才とは非常識極まりなく、冷酷で残忍だ。次々に我々善良な市民を魅了しては翻弄し、天才でなければ理解出来ないことを我々におしつけ、理解不能なままふいに立ち去っていく。不条理だ。あまりにナンセンスだ。そうは思わないか?」
暗闇に目を凝らすと、何かの計算式らしきものが無数に見えた。
「また彼らはみな一様に計算高いのだよ」
「いや、待って」
僕は言った。
「計算が出来て色んな発明が出来て、それが天才だって言うなら、そんなの僕らが作り出した概念じゃないか。天才なんていやしない」
彼は困ったような声を出した。
「うーむ、君は今少しこの空間に身を委ねる必要があるようだね。天才と呼ばれる彼らの世界を感じるには」
「そんなの」
僕は言った。
「そこらの犬に聞いてみるといい。君は天才を見て天才だって思うか?って」
緑の線が楕円を描いてのたうちまわり、0と1が踊り狂う。
「うーむ、やはり君は今少しの思考が必要だね。いや、君はまだまだこの世界の入り口にすら立っていない。もっと深く、入り組んだ世界に行くにはあまりに軽率で軽はずみだ」
ひゅん、とノイズのような音がした時、僕はパソコンの前にいた。
僕は彼に拒否されたのだ。きっとあの空間は、どこかの天才の頭の中ではなく、彼自身の頭の中なのだ。出なければ、彼の声が聞こえてくるはずがない。
せっかく彼が自らの頭の中を見せてくれたのに、僕は戸惑うばかりだった。
いやしかし、天才の頭の中だ、といいながら自分自身の頭の中を見せるとは、いかにも彼らしいユーモアだ。
キーボードの傍らにある彼からの贈り物『VECTROS』。
「僕には、まだわからない」
彼の言わんとしていたこと。彼が描いて見せたもの。僕はその一辺もまだ理解していない。
僕は再び、彼の世界へと入り込んだ。

上記の文は『VECTROS』サウンドトラック発売を記念し、作品の感想として書いたものであり、『VECTROS』の作品コンセプトに対する筆者の考えや感想ではないことを明記しておく。
―管理人 カシマ
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